あとがき

 唐突に思いついた話をものすごい勢いで書き上げ、連日必死になりながらあげていたことを思い出します。私をそこまでさせたものは何だったのか。未だにその正体はわかりませんがとにかく薄暗い七海が好きで始めた話でした。七海は今の仕事をしている限り結婚願望はなさそうということで、もしも好きな人や大切な人がいても距離をとってしまうのだろうなと思います。そういう七海の考えってちょっと歪というか、死が一般人よりも近い存在であったとしても別に自分が死んだ後の事をきちんと整理していて遺族が困らなければいいのではないだろうかと私は思うのです。そこで開き直れなかったのが七海建人なのでしょう。あえて呪術師をしている間は結婚願望なさそうと言われると、ふーん、エッチじゃん……、となるわけです。七海の感じている生きることの苦悩というか、呪いが存在してそれが視えてしまうという事実の不平等さとか、己が祓う力を持ってしまった理不尽さとか、そういうものを色々考えて悶々とした日々を送っていたのかなと思います。復職した時はある意味吹っ切れたのでしょうが、戻ったら戻ったでまた悩み抜き、答えの出ない事に目を逸らすことが出来ない男。そんな七海が好きです。

自分は一歩引いた立場から俯瞰して見ていますよみたいな顔をしながら、それでもやはり彼も人間ですから感情を揺さぶられ耐えかねるような出来事もあったはずで、何らかの捌け口があったのではないかな、と。そんな七海を考えた時に夢主を出すとしてもきっと簡単には結ばれないだろうけど、どこか救いが欲しいよなとも思いました。途中でヒロインが死んでちょっと焦ったのですが、戦って傷つき、治されてまた怪我をする姿を七海が見続けるより、ゆっくり休んで次の世界でまた一緒になる方が彼らにとっては幸せだろうと思います。変な話かもしれませんが、七海はヒロインが亡くなってしばらくした時もラブドールを処分した時も、少しホッとしたのではないかな。自分がヒロインに向けるクソデカ感情に苦しんできたと思うので。まあ私の妄想でそうさせたんですけどね! 七海さんごめんなさい。いやでも本当に好きなんです七海建人の事が。

最後になりましたが本を手に取り、読んで頂きありがとうございます。